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オリーゼ誕生物語 第一章

  オリーゼ誕生物語  

第一章 日本古来の食文化 ―――発酵

 

「発酵」という言葉は、ブドウの果汁がぶくぶくと泡を出して、お湯が沸くような様子を見せたあと、やがてそれが酒となったり、また小麦粉にパン種を加えて水でこねた生地が膨らんでパンとなったりする現象から生まれた言葉です。英語で「発酵」はfermentation(ファーメンテーション)ですが、語源は「沸く」というラテン語のfervere(フェルウェーレ)から来ているそうです。昔の人は、発酵という不思議な作用で物質が別の美味しいものに変化するのは神様の力だと信じていました。


 日本でも、奈良時代初期に書かれた日本最古の歴史書「古事記」の中に、米を噛んで酒を造った「口噛み酒」の記述があります。唾液中のアミラーゼはでんぷんを分解する力をもっています。つまり神話の時代から唾液と米を噛みあわせて寝かせておくと酒ができること、「発酵」という神秘的な力を認識して利用していたわけです。

 

 「発酵」という現象は、カビや酵母、細菌酵素によって起こるということが科学的に解明されるようになったのはごく最近のことです。それでもすべてが明らかになったわけではありません。というのも「発酵」は、日々ダイナミックに変化しつづける生命現象、多様な酵素同士が有機的に関連しあい、相互に作用しあって維持している生命そのものでもあるからです。

 

 しかし、難しい話は研究者にまかせておきましょう。私たちは、分子構造などを暗記しなくても、昔から受け継いできた食生活の知恵として「発酵」食品の美味しさを知っています。それは毎日の食卓に欠かせない「ふつうの食品」として、いつも私たちの身近にあります。たとえば、日本酒やみそ、しょうゆ、納豆、ぬか漬け…。

 

 これらの食品は、いずれも「発酵作用」を利用した「醸造」という製法で造られています。米や麦、大豆などの原料から、清酒やみそ、しょうゆを造るには、原料を蒸すなどして加工し、麹や酵母を作用させる「発酵」のプロセスを経なければなりません。発酵することで食品は劇的に変化し、まったく別のものに生まれ変わります。

 

 そして食品を「発酵」させるために欠かせないのが「麹」「酵母」「乳酸菌」なのです。日本酒やみそ造りに欠かせない「麹」は、空中に浮遊している麹菌を、蒸した米や小麦に作用させて作ります。麹は、コウジ酸、グルコン酸などの有機酸を生成し、またアミラーゼ、マルターゼ、セルラーゼ、その他のタンパク質分解酵素を生成します。このうち、でんぷんを分解するアミラーゼの働きを利用して用途別の「麹」を作りだし、清酒、甘酒、みそ、しょうゆなどを造ります。

 

 「酵母」は、糖分をアルコールと炭酸ガスに分解する働きをもっています。酒造りの過程で、液面に泡がぶくぶく生じるのは、酵母が炭酸ガスを発生させているからですが、酵母は1種類だけではなく、酒の種類によって清酒酵母、ビール酵母、ブドウ酒酵母などがあります。パン作りに欠かせないイーストはパン酵母です。

 

 もう一つ、忘れてならないのが乳酸発酵。「乳酸菌」は、糖分に作用して乳酸を造りだします。ヨーグルトなどに含まれる動物性乳酸菌のほか、みそ、しょうゆ、キムチなどに含まれる植物性乳酸菌があります。腸内の善玉菌である乳酸菌も同じ作用をします。

 

 食べ物を美味しくする力と、発酵による分解で体に吸収しやすくする力を持った「麹」「酵母」「乳酸菌」は、健康づくりにとっても、まさに最強の組み合わせ。私たちは、62年前に創業したときからこの日本の発酵文化と酵素学に注目、『オリーゼ』を誕生させたのです。

 

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